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『もしものもしも、歌で世界を救えたら』monologue1862

「合格おめでとう、光希くん。君は、今日からここで、仲間と共にアイドルと戦士の心得を学ぶんだよ」

 

夢にまで見た憧れの学園に、今僕はいる。

僕が持っていた不思議な力は、僕を希望の中へといざなってくれた。

 

僕の歌で、人を笑顔にしたい。

 

課せられたふたつの使命は、どちらも僕の願いを叶えてくれる物だった。

僕の未来は、明るく開けていた──

 

 

 

筈、だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前で散っていく仲間たちを目にした瞬間、僕は、今までの浅はかな思考回路を呪った。

 

 

黒々と蠢く人のような『何か』

それ等は何者でもなく、その空っぽの器に人を飲み込み、乗っ取り、支配する。

その光景は、話に聞いていたよりもずっと恐ろしく、脳裏の奥に焼き付いた。

 

 

人はそれ等を【略奪者】と呼ぶ。

難攻不落な僕らの敵。

僕らから、何もかもを奪ってゆく存在。

 

知らなかった頃には、もう戻れない。

それでも僕は────

 

 

【声の能力】─『月の光』

 

 

これからの未来を、諦めたくない。

 

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個人番号:1862

騎島 光希(きじま こうき) 10歳

 

今年度入学したばかりの期待の新星。澄んでいて真っ直ぐな性格の持ち主で、そこにいるだけで周囲を明るくする。だが、少々理想的すぎる部分もあり、初めての戦闘では戦いのあまりのおぞましさに十分に能力を発揮する事が出来なかった。戦士として十分に機能させるようにするには、より強靭な精神を鍛えていくべきだろう。

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